12. フライシュマン: 彼自身について
  1. 私はこの同盟の中では六番目の者だ。即ち、滅ぼされた司祭だ。私はエトレーベン [1] の司祭だった。私は滅ぼされた。私達がいる下の世界は残酷な世界だ。しかし私はあなた方とあまり変わらない者だったのだ。ユダが私をここに引きずり降ろした。
  2. 私は、ユダと同じように、忠実でなかった。
  3. 私は滅ぼされた。何故なら、自分の聖務をひどく悪く行なったからだ。
  4. 人は、滅ぼされると、他の霊魂を破滅へと引き込むのが仕事になる。
  5. 私は永遠に滅ぼされた。苦しみは恐ろしく、この上ない。
  6. 私は人を一人殺した。そして、私には女がいた。
  7. 司祭: 何故そんなことを。
    フライシュマン: 何故なら、私の聖務は私にとっては重過ぎるものだったからだ。私は十分に祈らなかった。私はいつも務めを早く終わらせたかった。そして今、私は下に居り、永遠に見捨てられている。[2]
  8. 司祭達よ、あなた方が自分にどんな力が付与されているかを知っていたなら!
  9. 私は哀れな者だ。しかし、もう出来る事は何もない。
管理人注
[1]  Ettleben: 地名。
アルト神父様は、いわば、この「エトレーベン」という土地を仲立ちに、変な話、フライシュマンと “縁” があったようである。
驚くべきことに、アルト神父がフライシュマンの名を知ったのは、アンネリーゼのエクソシズムに関わる前のことだった。アルト神父がエトレーベンの教区に着任した時、教会の建物はかなり酷い状態だった。アルト神父はそれを回復する仕事に取り掛かったが、「それにしても、今迄この教会はどのような権威の管理下にあったのだろう」と疑問に思ったのだろう(ドイツでは教会の建物の管理義務は市町村や国にあったりするらしい)、村の倉庫に行き、この教会に関する記録を調べた。そして、古い記録(確か16世紀頃の)の中に、彼は「フライシュマン」の名を見たのである。それによると、彼は「女たらし」で、四人の子持ちで、「大酒飲み」で、弱者に暴力を振う男だった。ある時、まさに司祭館の中で、一人の人を殺害した。
その後、アルト神父はアンネリーゼのエクソシズムに関わるようになった。ある時、 アルト神父が人々との会話の中で「フライシュマン」の名を出した時、その途端に、アンネリーゼが叫び出した。(その時、アルト神父は何か特別に「ゾッとした」らしい。何かを感じたのに違いない。)
次の日、彼はアンネリーゼに、「昨日、何故、私が『フライシュマン』の名を挙げた時、君は急に叫び始めたのか」と尋ねた。すると、その場で再び、アンネリーゼは叫び出した。
そして、その晩のエクソシズムで、初めてフライシュマンが現われ、自分の名と生前の詳細を語ったのである。──ということである。
(Felicitas D. Goodman 著 The Exorcism of Anneliese Michel による)
[2]  このへんの述懐も『他界からの警告』のヴェルディ・ガランデュー(参照)にとてもよく似ている。
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