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人間について

  1. 神が地上に置かれたもののうちもっとも貴い被造物は何ですか。

    神が地上に置かれたものの内最も貴い被造物は人間です。

  2. 人とはどういうものですか。

    人とは、霊魂とからだとから成る、理性を備えた被造物のことです。

  3. 霊魂とは何ですか。

    霊魂とは、知性と意志とをもち、神を知り永遠に所有することのできる霊です。それゆえ霊魂は人の最も尊い部分です。

  4. 霊魂を見たりふれたりすることができますか。

    霊魂は霊ですから、見たり、ふれたりはできません。

  5. 人の霊魂はからだと共になくなりますか。

    人の霊魂は絶対になくなりません。信仰によっても理性によっても霊魂の不滅を証明することができます。

  6. 人は、自由に行動することができますか。

    人は、自由に行動することができます。だれでも、あることをすることも、しないでおくこともできると感じます。また、あることのかわりに別のことをすることができると思っています。

  7. 例をあげて人間の自由について説明してください。

    人は、わざと嘘をつく時、心の内で嘘をつかずに黙っていることもできたし、真実を言うこともできたと気づきます。

  8. なぜ人間は神の似姿、神にかたどられたものであると言われますか。

    人間の霊魂は霊的、理性的なもので、その働きは自由で、神を知り、神を愛し、永遠の幸福をたのしむことができます。しかし、このような特長は、主の無限の偉大さの反映ですから、人間は、神の似姿、神にかたどられたものと言われるのです。

  9. 神は人祖であるアダムとエヴアをどのような状態に置かれましたか。

    神はアダムとエヴァを無罪の状態、恩恵に満ちた状態に置かれましたが、まもなく人祖は罪を犯してこの状態から堕落してしまいました。

  10. 主は人祖に無罪の状態と成聖の恩恵のほかに特別のたまものをお与えになりましたか。

    主は無罪の状態と成聖の恩恵のほかにも人祖とその子孫に特別のたまもの、すなわち「完全性」、つまり感覚を理性に完全に従わせること、「不死性」、またあらゆる苦痛やみじめさからの「免除性」、そして人祖の状態にふさわしい「知性」をお与えになりました。

  11. アダムはどんな罪を犯しましたか。

    アダムは高慢と重大な不従順の罪を犯しました。

  12. アダムとエヴアはどんな罰を受けましたか。

    アダムとエヴァは、神の恩恵と天国に入る権利を失い、楽園から追放され、死も苦しみも免れ得ないものになりました。

  13. アダムとエヴアが罪を犯さなかったならば、死をまぬがれていたでしょうか。

    アダムとエヴァが罪を犯さなかったならば、この世で幸福に暮したのち、死ぬこともなく神の手によって永遠の生命に入ることができたでしょう。

  14. このような賜物は本来人間に備わったものでしたか。

    このような賜物は本来人間に備わったものではなく、神が全く無償でお与えになった超自然的なものです。したがって、アダムが神の掟に背いたとき、神がアダムとその子孫からこれらの賜物を取り去られても不正なことではありませんでした。

  15. この罪はアダムだけのものでしたか。

    この罪はアダムだけのものではなく、私たちの罪ともなりました。アダムは人阻として罪を犯したので彼自身が自発的に犯した罪であってもすべての子孫に繁殖によって伝わりました。したがってすべての人は原罪をもって生まれます。

  16. どうして原罪はすべての人間に伝わりますか。

    神はアダムが従順であることを条件として、アダムを通して人類に成聖の恩恵と他の超自然のたまものをお与えになりました。しかし全人類の頭であり父であるアダムが神に背いた結果、人間の本性が神に反抗するようになりました。それで神の恩恵とその他のたまものが剥奪され、神に反抗する態度をとったままの人間の本性がアダムの子孫みなに伝えられるのです。

  17. 原罪の及ぼした害は何ですか。

    原罪によって、人は恩恵を失い、知恵が暗み、心は悪に傾くようになり、この世のさまぎまな災いに苦しみ、死も免れなくなりました。

  18. 人はみな原罪をもっていますか。

    聖母マリア以外、人はみな原罪をもっています。救い主の功徳を予見なさった神の特別の御計らいによって、聖母マリアは原罪を免れました。

  19. アダムの罪ののち、人は救いを得ることができましたか。

    アダムの罪の後、神が慈悲をお恵みにならない限り、人は救いを得ることはできませんでした。

  20. 神が人類にお恵みになった御慈悲とは何ですか。

    神が人類にお恵みになった御慈悲とは、アダムに救い主の到来を約束されたこと、そして時が満ちると、悪魔と罪の奴隷となった人間を救うために救い主をおつかわしになったことです。

  21. 約束の救い主とはどなたですか。

    使徒信経の第二箇条にある通り、約束の救い主とはイエズス・キリストのことです。

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