2011.04.26

サタンの煙: 悪魔的芸術家たち (6)

呪いの凝集
レロ・スコルツェッリ作
パウロ6世のモニュメント
イタリアはブレーシア (Brescia) の
カテドラルに収められている
これが、私が最初のページ「全カトリック信者にとって明確に恐怖の対象であり、文字通り呪いである」断言したところのものである。
最初に訳した英文記事に、次のパウロ6世のモニュメントの写真があった。
(正確に言えば、右の写真──像が塗り直されている──は別の所からのものだが)
まず、この彫像の面構えを見て頂きたい。
これが「教皇」の姿か。教皇というよりまるで「魔術師」ではないか。
ボディーニの時と同じだ。彼らには「教皇」はない。「魔術師」だけがある。
右の写真の Bent Cross の影が不気味である。
ちなみに、この影を作っている Bent Cross がこれである。
この像の下、この像が乗っている黒っぽい台の前面の左右に、菱形、というか、正方形が45度回されたものが一つずつある。レリーフなのだが、これが途方もなく、まさに「悪魔的」としか言いようのない意味が籠められたものなのである。私も皆さんに紹介しようとして、改めて一つ一つ拡大してよく見てみて、気づいた次第である。
まず、向かって左側のレリーフから見る。
これは左側のレリーフの四分の一である。左側のレリーフに関しては、拡大画像(近接画像)はこれしかない。趣旨としては、前々回に見たバチカン美術館の彫刻と同じく「エキュメニカルな会議に参集する聖職者達の群像」である。さして問題を感じない。
次に、向かって右のレリーフである。
ご覧のように、全体は四つの小さなレリーフの組み合わせで出来ている。
左の角のレリーフを拡大する。(拡大というか、近接写真である)
あなたはこれを何だと思うか。多足の虫のような気味の悪い怪物が、教皇様の背中にピッケルのようなものを突き立てている。それ以外の何ものでもない。
これがカトリック教会において「教皇パウロ6世を記念」するものなのだ。
分かるだろうか、分かるよね、この異様さが。
英文記事にはこの部分の題名のようなものが書かれてあるが("L'attentato a Manila"/ The attempt at Manila)、この作品自体から目を逸らしてそのような「説明」(言葉)に納得するのは、「マシューです」と言われて「ああ、マシュー君ですね」と受けるようなものである。参照 w
下の角のレリーフを拡大する。人物の上下が逆さまだから180度回転する。
これは何なのか。痩せ衰えた人が横たわり、苦悶している。キリスト教徒らしく「これは苦しむ『人間一般』を象徴しているのだ」とでも解釈するか。
違う。このレリーフは、特定の人、すなわちパウロ6世教皇様をテーマとしたものである。よって、これはパウロ6世教皇様である。
何故、「教皇パウロ6世を記念」するものに、こんな図柄があるのか。
何を意味しているのか。
「パウロ教皇様のある種の御苦労と御苦悩を象徴しているのでしょう」と?
……お人好しにも程があるというものである。
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語と参照
Brescia
ブレーシアのカテドラル Wikipedia (it) Duomo nuovo
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