「高度な神学」によって聖書の土壌
(まっとうな読み方)から離れる司祭
山折 ああ、上智大学の横にある教会ですね。楕円形で、たしかに教会としては変わった外観です。
池長 ええ、そうです。もともとは伝統的な様式だった教会が老朽化したために改築し、九九年に完成したのですが、当初は、不格好だと言われたこともありました(笑)。設計を依頼した建築事務所の方には、神学的に高度な内容の講義をしました。その結果、丸みをおびた外観になったのです。内部は祭壇を取り囲むように円形に信徒席が設けられ、あれこそ日本人がなじめる聖堂だと思っています。
この「神学的に高度な内容の講義」というのがどのようなものだったかは、池長大司教様にお聞きしない限りは知ることができません。
しかし、これは確かです。前回見た「文化史の中の宣教」は聖イグナチオ教会の新聖堂の建設中に書かれました。
1992年 |
聖イグナチオ教会建設委員会が発足。 |
1996年9月 |
ローマのシノドス事務所、アジア特別シノドスのための「提題解説」を発表、アジア各国の司教達に送付。 |
1998年4月21日 |
池長大司教様、「文化史の中の宣教」を発題。 |
1998年4月19日 |
アジア特別シノドス(於:バチカン) |
1999年 |
聖イグナチオ教会の新聖堂、完成。 |
即ち、池長大司教様が建築事務所の人に「神学的に高度な内容の講義」をした時期と「文化史の中の宣教」をお書きになった時期はほぼ同時期(数年の違い)だったということです。
つまり、前回見たあのような事を言う人が
「神学的に高度な内容の講義」をしたのです。