2014.05.02

全実体変化

 次回からの記事のための資料として

聖ピオ十世公教要理詳解より

598. 御聖体の秘跡とは何ですか。

御聖体とは、パンの全実体 (the whole substance) がイエズス・キリストの御体に、そしてぶどう酒の全実体がイエズス・キリストの尊い御血にそれぞれ変化することによって、パンとぶどう酒の外観のもとに、主イエズス・キリスト御自身の御体・御血・御霊魂・御神性が、真実に (truly)実体的に (substantially) 、実際に (really) まします秘跡で、私たちの霊的な糧となるものです。

603. 聖変化の前のホスチアは何ですか。

聖変化の前のホスチアは単なるパンです。

604. 聖変化のあとのホスチアは何ですか。

聖変化のあとのホスチアは、パンの外観のもとにまします主イエズス・キリストのまことの御体です。

609. パンとぷどう酒がイエズス・キリストの御体と御血に奇跡的に変化することを教会は何と呼びますか。

毎日祭壇で行なわれるこの奇跡的な変化 (the miraculous change) を教会は、全実体変化 (transubstantiation) と呼びます。

623. 御聖体を崇拝しなければなりませんか。

御聖体には、主イエズス・キリスト御自身が、真実に (truly) 、実体的に (substantially) 、実際に (really) ましますから、崇拝しなければなりません。

トレント公会議「第13総会:聖体についての教令」より

1条 いとも聖なる御聖体の秘蹟において、真に、現実に、そして実体的に、私たちの主イエズス・キリストの御体と御血が御霊魂と御神性とともに、すなわちキリスト全部が含まれていることを否定し、この秘蹟には、しるしまたは象徴あるいは効力においてのみある、と言う者は排斥される。

Canon 1. If anyone denies that in the sacrament of the most Holy Eucharist are contained truly, really and substantially the body and blood together with the soul and divinity of our Lord Jesus Christ, and consequently the whole Christ, but says that He is in it only as in a sign, or figure or force, let him be anathema.

2条 至聖なる御聖体の秘蹟において、パンとブドー酒の実体が私たちの主イエズス・キリストの御体と御血とともに残ると言い、パンとブド一酒の形色だけを残し、パンの全実体が御体に、ブドー酒の全実体が御血に変わるかの素晴らしい特異な変化(この変化をカトリック教会は全実体変化という全く適切な表現で呼ぶ)を否定する者は排斥される。

Canon 2. If anyone says that in the sacred and, holy sacrament of the Eucharist the substance of the bread and wine remains conjointly with the body and blood of our Lord Jesus Christ, and denies that wonderful and singular change of the whole substance of the bread into the body and the whole substance of the wine into the blood, the appearances only of bread and wine remaining, which change the Catholic Church most aptly calls transubstantiation, let him be anathema.

ジョン・ハードン神父様編『カトリック小事典』より

p.145

 しるし  sign
一つのものを他へ導くもの。任意のしるし、あるいは慣習上のしるしがある。たとえば国家を象徴するしるしとして旗があるが、これは人々の間の合意によって、そのしるしが示すものと関連づける。あるいは純然たるしるしがある。すなわち、そのしるしによって、それ自体ではわからないある物の知識へと人を導く。たとえば、人間の考えを真の対象の知識へと導く。道具としてのしるしは意味または理解を与える。たとえば、ことばは事物および精神状態についての知識を与える。表示のためのしるしは他のものの存在を示す。たとえば、人の外的行動はその人の性格または教育程度を示す。
 上に述べた種々のタイプのしるしは、自然的理性に基づいているか、超自然的啓示に基づいているかによって、それぞれ自然的しるし超自然的しるしとに分けられる。
 教会の典礼全体は、ことばと行為と神聖なものを示すしるしとの働きから成り立っている。神聖なものを示すしるしの中で最も重要なのは秘跡である。秘跡は神の特別の臨在を示すだけでなく、その秘跡が表わす恩恵を現実に与える。(語源はラテン語 signum「しるし、符合、特徴」)

p.176

 聖体 (1)(せいたい) Blessed Sacrament
キリストが制定した七つの秘跡の一つ。他の秘跡と違って、聖体はこれを受けるだけの秘跡でなく、これを受ける前と受けるときと受けたあとに礼拝すべき秘跡である。したがって聖体は恒久的秘跡である。パンとぶどう酒の外形が本質的に変化せずに残っているかぎり、キリストがその外形の中に留まるからである。

 聖体 (2)(せいたい) Eucharist
パンとぶどう酒の外観のもとに実際に実体的に存在し、ミサの犠牲において自分自身を奉献し、聖体拝領において信者の霊的食物として与えるイエズス・キリストの真の体と血。(…)

pp.185-186

 聖変化(せいへんか)consecration
ミサの間に聖体のパンを聖別することば。これによって、キリストが最後の晩さんのときに制定した「いけにえ」が完成する。聖変化のことばは承認されたすべてのミサ典文に共通の唯一の形であって、文字通りの訳は次のとおりである。「これを取って食べなさい。これはあなたたちのために与えられる私の体である。……これを取って飲みなさい。これはあなたがたと多くの罪の赦しのために流される、新しい契約の私の血の杯である。私の記念としてこれを行いなさい」。(語源はラテン語 consecratio, consecrare「聖なるものにする(こと)」)

p.256

 秘跡(ひせき) sacrament
イエズス・キリストによって制定された、感覚でとらえることができるしるしであって、これによって目に見えない恩恵と内的聖化が霊魂に与えられる。新しい律法の秘跡に不可欠の要素は、神人キリストが地上で生存中に制定したこと、感覚によって知ることができる式によってそれが象徴する超自然の恩恵を現実に授与することである。広い意味においては、神の内的祝福を表わす外的しるしはすべて秘跡である。この意味において、旧約時代にも割礼のように秘跡がすでに存在した。しかし、トレント公会議が定義したように、旧約時代の儀式は、本質的に新約の秘跡と異なっていて、象徴する恩恵を実際に含んでいなかったし、救い主によって制定された目に見える手段によって救い主が勝ち得た恩恵の充満は旧約の儀式の中にはなかった。(語源はラテン語 sacramentum「誓い、重大義務」。動詞 sacrare「神聖なものとして別にしておく、聖別する」)

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