2014.11.21

『各司教協議会宛の書簡』は当初、御聖体拝領のもう一つの方法として「拝領者自身に聖器から直接ホスチアを取らせること」を提案していた  Part 5

 (前回からの続き)

使徒座公報

 英語のサイトもドイツ語のサイトも口を揃えて『書簡』の出典を「使徒座公報 61(1969年)pp. 546-547(フランス語)」と言っていた。私は『使徒座公報』はバチカンの公式サイトが公開していると知って、それを調べ始めた。

 Official Acts of the Holy See
 --> Acta Apostolicae Sedis
 --> AAS 61 [1969](PDF 3.9MB

 その中の『書簡』はやはりフランス語で書かれていた。且つ、問題の箇所は省略されておらず、注釈も加えられていなかった。

4. Quant à la manière de faire, on pourra suivre les indications de la tradition ancienne, qui mettait en relief la fonction ministérielle du prêtre et du diacre, en faisant déposer l'hostie par ceux-ci dans la main du communiant. On pourra cependant adopter aussi une manière plus simple, en laissant le fidèle prendre directement l'hostie dans le vase sacré. En tout cas, le fidèle devra consommer l'hostie avant de retourner à sa place, et l'assistance du ministre sera soulignée par la formule habituelle: « Le Corps du Christ», à laquelle le fidèle répondra : « Amen ».

AAS 61 (1969) PDF  p. 547

 文章はフランスのサイトにあったものPart 3と同じである。従って、赤太字の部分は──しかし、私達はもっと簡単な方法を採用することもできます。それは、信者に聖器の中のホスチアを直接取らせることです」。

なぜフランス語?

 Wikipedia の「使徒座公報」にはこうある。

使徒座公報はラテン語で発行される。

1929年より、使徒座公報は補完的にイタリア語を伴って出版される。

 しかし、「AAS 61 (1969) 」の中を見ると──全部で900ページ以上あり、とてもじゃないが詳しく調べる気がしないが──掲載されてある文書の殆どはラテン語のようだが、中には、Wikipedia の言うようにイタリア語のものもあり、また『書簡』以外にもフランス語のものがあり、また更に英語のものもあることが分かった。

 しかしそれでも、それらラテン語以外のものは、どちらかと云うと(しっかり調べていないから正確なことは言えないが)「私信」的な要素のあるものであったり、また「説教」や「講話」、或いは賓客に向けた「挨拶」の類であったりするのではないかと思う。

 しかし『書簡』は、ライゼ司教様などはそれを「Attached Pastoral Letter(添付された司牧書簡)」と言ったのである。また、ライゼ司教様以外にも、それに「pastoral」という形容詞を当てているものがしばしば見られるのである。

 教会にとってその『書簡』がどのレベルの文書ということになっているかはひとまず措いても、それが全世界の司教協議会に送ることを想定して書かれたものなら、ラテン語で書かれていてもよさそうなものである。そこを、何故、フランス語?

 私はやはり、マリ-ジャック神父様の「それはフランス宛の書簡だ!」という叫びPart 1を思い出さずにはいられない。

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