四王天延孝著『ユダヤ思想及運動』 抜粋1:タルムード

四王天延孝著『ユダヤ思想及運動』(1941年)からの抜粋

第二篇 ユダヤ民族に関する予備知識

第三章 ユダヤ民族の宗教

第三節 タルムード

 前節に述べたトーラーはユダヤの神の直接啓示であって本筋のものであるが、之以外に口碑伝説で残って居たものを書き綴ったと称するトーラーに幾倍する浩瀚なものがタルムードである。編纂の年次はキリスト以後五世紀に亙[わた]り参与した高僧知識500人に上ると伝えられるもので、内容は神学、哲学、科学から禅問答の様な部類もありて雑多なものである。衛生の部門では酒を呑んだ後に必ず水を呑めとの注意もあれば、夕食を取って寝に就く時には右脇を下にしなければならぬとの教え迄ある。甚だしきは性交の方法を誤ると首の長い子や唖が出来ること迄書いてあるが詳細は省略する。

 難解の部分になるとユダヤ人自身でも一頁を読むに一週間かかる所もある。

 或る寺に行って番人にそこに並べてあるタルムードは何十冊あるのかと聞くと実際のことは判らんと答えた。元来キリスト出現の後[のち]世は滔々としてその教えに帰依し始め、事によるとユダヤ教は崩壊するの虞[おそれ]もあったと見え、特にユダヤ民族の自画自讃が高調され、キリスト教徒をこき下す文句も盛られてある。余り激しいので他民族との葛藤が起り、非難攻撃を浴びる様になり、西暦1264年以降所々書き改めるの止むなきに至った部門もある。そこで英訳などにして出版したものには温健な部分だけを十冊に縮刷したのがある(ロンドン販一部十冊)

 今最も激烈なタルムードの部分を西暦1923年4月12日ニューヨーク・ヘラルド新聞が発表した所により抄録すると

 (文中にゴイとあるはユダヤ人以外の人々を指すのである)

 リップル、ダヴィデ書37に

如何なる事柄に拘らず、宗教上の秘密をゴイに漏らしたものは全てのユダヤ人を殺すのと同罪である、何となればゴイム(註ゴイの複数)が若し吾々の教ゆる事柄を知ったならば、彼等は公然吾々を殺すべきであるからだ

 サンヒードリン59のアボダゾラ6乃至8、ザギガ13に

タルムードを研究するゴイと之に研究方法を授くるユダヤ人は全て葬り去るべきものである

 ババメチア114の6に

汝等ユダヤ人は人間であるが、世界の他の国民は人間に非ずして獣類である。

 シュルハンアルクのショツツェン・ハミツパット348に

他民族の有する所有物は全てユダヤ民族に属すべきものである、故に何等の遠慮なく之をユダヤ民族の手に収むること差支なし

 トセフタ、アブダ・ザラ8の5に

ゴイがゴイ又はユダヤ人を殺した場合には其の責任を負うべきであるが、ユダヤ人がゴイを殺した場合には責任を負うべきもので無い

 別の出所であるが

 シナゴーガ、ユダイカ212頁、ミンハギン23頁、クライー、シャイム480頁には過越節の前日唱える経文として

主よ、吾々は汝を信ずることなく又其の御名を称えざる諸国民の上に汝の怒りを現わさんことを希う。彼等の上に汝の怒りを蒙らしめ給え、彼等を汝の怒りによりて屈服せしめ給え、彼等を汝の怒りによりて逐い散らし、彼等を粉々に砕き給え、オオ主よ、彼等の骨を全て抜き取り給え、汝の民族に敵対するもの全てを瞬時に破壊し給え、此等の国民を根より抜き去り之を散乱せしめ、殲滅せしめ給え、彼等を破壊し給え、殲滅せしめ給え、即刻に!

 誠に非道なことが書いてあるが、タルムード全部がこんな文句で埋まっているのでは無い事勿論である。又書き直したのもあって筆者が先年北満のユダヤ寺院で見たタルムードには之等を削除して「官憲検閲済」の判が押してあった。書き直さないのはオランダのアムステルダムの一ヶ寺と米国の某寺にあると云う話であった。

目 次

(文字にリンク有り)

序文 平沼騏一郎

緒 言/1

第一篇 総説/5

第二篇 猶太民族に関する予備智識/9

第一章 猶太民族の過去、現在/9

第二章 猶太民族の特異性/15

第三章 猶太民族の宗教/22

第三篇 猶太思想/41

第一章 通論/41

第二章 保守的にして進歩的/42

第三章 国際主義、萬国主義/45

第四章 自尊心と排他独占的/49

第五章 功利的思想/53

第六章 堅忍、勤勉の諸徳/61

第七章 陰性的、復讐的/66

第八章 ユダヤ運動の戦術に就て/71

第四篇 秘密結社フリーメーソンリー/73

第一章 総説/73

第五篇 猶太の運動(前記)/135

第一章 概説/135

第二章 フランス革命/137

第三章 米国独立革命に於けるユダヤ、フリーメーソンの努力/144

第四章 シオン運動/147

第五章 インターナシヨナル運動/153

第六章 猶太解放の三策(第一世界大戦の眞因との関係)/185

第七章 第一回シオン長老會議/194

第六篇 近代のユダヤ運動/211

第一章 概説/211

第二章 第一世界大戦/215

第三章 ロシア革命と猶太/232

第四章 墺匈国革命と猶太/262

第五章 独逸革命と猶太/266

第六章 パレスタインの復興/276

第七章 国際連盟の創立/283

第七篇 現代のユダヤ運動/291

第一章 序論/291

第二章 フリーメーソンの東洋政策/292

第三章 満州事変/296

第四章 第二世界大戦の序幕(其一)/302

第五章 第二世界大戦の序幕(其二)/310

第六章 支那事変と欧州戦争との関連/336

第八篇 日本の対猶太、対フリーメーソン策/343

第一章 概説/343

第二章 親猶主義/350

第三章 反猶太主義/358

第四章 まつろはしむ/363

結言/365

引用書目/367

附録 第一 支那猶太の悲劇/373

附録 第二 英猶帝国主義の秘密政治機関と見られるフリーメーソン/385

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