4. フリーメーソンは秘密結社なり
そもそもフリーメーソンとは何であるか。或る人はこれを秘密結社ではないと称しております。例えば東京帝国大学に於いて久しく教授をしていられ、この間鎌倉で亡くなった吉野作造博士の如きは、秘密結社でないと称しておりますが、とんでもない間違いであります。普通巷間にありふれた辞書を持ってきても、秘密結社という事になって居るのであります。事実、秘密結社でありまして、私もパリのカデー町16番地の大本山を訪問して来ました。特別の紹介を持ち、厳密なる合言葉を持たない以上は、一歩も中へは入れません。また幣原元外相の如きは、これは社交機関である、そういう怪しい秘密結社ではないと弁護をされた事があるそうでありますが、これらは人を誤る〔=誤導する〕の甚だしいものでありまして、正に秘密結社であります。このフリーメーソンと云うものは、一体いつ頃世の中に現れたものであるかと申しますと、この起源については多くの説があるので、世にありふれたものだけでも少なくとも一ダースはあります(笑)。
或いはユダヤのソロモン王の時からであると称し、或いはピラミッドの出来た時から既にそうであるという事を申します。本当の事は秘密結社の事でありますから、わかり難う御座いますけれども、要するに元は石屋の組合であったという事は本当であります。今日色々な道具を持って居り又フリーメーソンの色々な名士が盛装をして写真を撮って居るのでも、石屋の前掛けをしめて居る事が、彼等の伝統を忘れない為でありまして、石屋の使うノミもありますし、更に名称から云っても「メーソン」という事は「石屋」という事でありまして──石ばかりでなく、煉瓦や、雑多の石材などを──寺院の大建築をする、ああいう風な事はみなメーソンがやったものであります。つまり、正直な極く信頼の出来る石屋には国境がないというので、それ等が昔、あちらこちらと国境を越えて歩きます時、そのメーソンは兄弟として扱ったのであります。十八世紀の始め、即ち1717年、これがスコットランドに於いて、少しく形体を改めて、インテリゲンチャがこれに参加して、そのメーソンの組合組織というものを精神的の方向にもって行ってしまったのであります。それでありますから、メーソンはオペレーティヴ・メーソンであったのが、1717年以後、スペキュラティヴ・メーソンという名前になっております。そんなになってからして、漸次秘密結社になって来たのであります。
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