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5.亡びの道

第35章

これらの悪徳によって誤断におちいることについて。──これによっておちいるみじめな状態について。

 のちに説明するように、かれらは、これらの悪徳とその他の悪徳とによって、誤断におちいる。わたしの業はすべて義であり、事実、すべて愛とあわれみとに鼓吹されているのに、かれらはいつもこれを中傷する。
 わたしの「子」の業は、この誤断によって、そしてまた、ねたみと傲慢との毒によって、悪口され、不当に評価された。「この人はゼルゼブルの力でそのようなことをするのだ」と言わせたのは、誤りとうそである。これと同じように、自愛心、不浄、傲慢、貪欲、およびねたみに支配され、邪悪な判断に迷わされ、不忍耐におちいり、犯した他のすべての悪によって盲目になった悪人どもは、いつも、わたしとわたしのしもべたちとを中傷し、かれらの徳行は偽善だと断定する。かれらの心は腐敗しその好みは悪化しているので、善も悪に見え、乱れた生活も正しく見えるのである。
 ああ、盲目な人間よ、おまえは自分の尊厳がそれほど見えないのか。おまえはあれほど偉大であったのに、これほど卑小になっているではないか。おまえは支配者であったのに、奴隷に、しかも、これ以上考えられないほど醜悪な支配者の奴隷になっているではないか。なぜなら、おまえは、罪のしもべ、罪の奴隷になり、おまえが奉仕するこの罪と同じようなものになっているからである。罪はつまらないものでさえない。だから、おまえはつまらないもの以下になり下がっている。おまえは自分から生命を除き去り、自分に死を与えたのだ。
 この生命と支配権とは、栄光の橋であり、わたしの「ひとり子」である「言葉」によって、あなたがたに与えられたのである。あなたがたは悪魔の奴隷であったが、かれはあなたがたをその隷属から解放した。かれは、あなたがたを奴隷状態から解放するために、自分自身奴隷となった。かれは、アダムの不従順をほろぼすために、自分に従順を課した。かれは、傲慢を恥じ入らせるために、十字架の屈辱的な死にいたるまで、自分をはずかしめた。かれは、その死によって、すべての悪徳を例外なくほろぼした。それゆえ、だれも、「しかじかの悪徳は罰されなかった。苦罰を加えられなかった」と言うことはできない。なぜなら、すでに話したように、わたしはかれの体を鉄床となしたからである。人間が永遠の死からのがれることができるように、あらゆる助けが与えられた。しかし、かれらは、「血」を軽蔑し、みだらな愛の足でこれを踏みにじった。
 これが不義であり、誤断である。世はそのために断罪された。そして、最後の審判の日に断罪されるであろう。わたしの「真理」が、「わたしは世の不義と誤断とを告発する『弁護者』を送るであろう」(4) と言ったのは、これを理解させたかったからである。事実、わたしが使徒たちの上に聖霊を送ったとき、世は断罪されたのである。

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