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10.光明と分別

第107章

神は、そのしもべたちの聖なる望みを、どのように聞き入れるかについて。──神は、ご自分に祈り、「真理」の門を堅忍して叩く人々をどんなによみせられるかについて。

 いとしいむすめよ、これで説明を全部終わった。あなたの知性の目が、悪魔が仕掛ける恐れのあるわなを避けることができるように、これを照らした。こうして、あなたがわたしにたずねたことに関するあなたの望みを満足させた。わたしは、わたしのしもべたちの望みをさげすむことはない。むしろ、わたしに願う者には与えるし、また願うようすすめる。わたしの「ひとり子」の「英知」の門を、その教えに従って、実際に叩こうとしないことほど、わたしの気に入らないことはない。なぜなら、この教えに従うのは、聖なる望みの声により、そしてまた、謙遜で絶え間ない祈りによって、永遠の「父」であるわたしに向かって叫びながら、門を叩くことだからである。そのうえ、あなたがたに恩寵のパンを、甘美な「真理」の門から与えるのは、「父」であるわたしである。ときとして、あなたがたの望みと堅忍とを試すために、聞こえないふりをすることがある。しかし、聞こえている。そして、あなたがたに必要なものを与える。あなたがたがわたしに向かって叫ぶことができるように、あなたがたに飢えと声とを与える。わたしは、あなたがたの堅忍を試す。それも、あなたがたの望みが立派に規正されて、「わたし」に向けられるとき、これを満足させるためである。わたしの「真理」が、つぎのように言ったのは、あなたがたに、このように叫ぶようすすめるためである。「呼びなさい。そうすれば答えられるでしょう。叩きなさい。そうすれば開かれるでしょう。願いなさい。そうすれば与えられるでしょう」(5) 。「わたし」もまた、あなたにしてもらいたいことを、あなたに言いたい。決してあなたの望みを弱めたり、わたしの助けを叫び求めることを止めたりしてはならない。あなたの声を落としてはならない。わたしが世にあわれみを注ぐよう、わたしに向かって叫んでほしい。わたしの「子」の跡に従って、その門を、絶え間なく叩いてほしい。あなたのたのしみは、かれといっしょに十字架上にとどまることであってほしい。そして、わたしの名の栄光と賛美とのために、救うべき霊魂を食物として食べてほしい。言語に絶する悲惨へと引きずりこまれている人類の子らの死を、心の苦悩のなかで、嘆き悲しんでほしい。
 わたしは、この嘆き、この叫びによって、世にあわれみを注ぎたい。これこそ、わたしがわたしのしもべたちに求めることである。このしるしによって、わたしは、かれらがまことにわたしを愛していることを認めるであろう。そして、「わたし」は、すでに話したように、かれらの望みをさげすむことがないであろう。

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