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アリンゼ枢機卿はアジアの司教達に間違ったインカルチュレーション(典礼におけるダンス等)について警告する

2009年8月18日
by Shawn Tribe
フランシス・アリンゼ枢機卿(2002年から2008年までの典礼秘跡省長官)は8月16日の説教において、典礼の「特異性(idiosyncracies)」と間違ったインカルチュレーションの概念について、アジアの司教達に警告した。アリンゼ枢機卿はまた、典礼におけるダンスについても警告的な注意を与えた。
アジア司教協議会連盟(FABC : Federation of Asian Bishops' Conferences)の総会 [1] の閉会のミサで、アリンゼ枢機卿(この会合に教皇ベネディクトによって派遣された教皇特使)はアジアの司教達に聖体への崇拝と敬意を強めるよう励ました。
閉会のミサ
崇拝は、主の面前で片膝をつくこと、深くお辞儀すること、跪くこと、平伏すること、そして沈黙することのような所作の中にそれ自身を表わす。アジア文化は聖なる者と超越者に対する深いセンスを持つ。世俗の権威者に対してアジアが持っている敬意はしばしば、指を組み合わせて両手を握り締めること、跪くこと、お辞儀すること、平伏すること、そして高官に対する時は離れて歩くことなどの中に見出される。この文化的価値を聖体のイエズスを表敬する目的のために適用し高めることは、それほど難しいことである筈がない。世界の幾つかの地域に見られる教会の中に跪き台を設置しないという流儀は、アジアの教会にコピーされてはならない
聖なる者に対するアジア文化のセンスを称讃した後、アリンゼ枢機卿は間違ったインカルチュレーションの概念について警告し、典礼規則に忠実であるよう強く要請した。
聖体が配布される方法は明確に示されなければならず、そして監視され(be monitored)なければならない。そして、個人的な特異性(individual idiosyncracies)は許されてはならない。ラテン典礼では、共同司式している司祭達だけが自ら聖体を取ることができる。その他の者は、聖職者であれ一般信徒であれ、聖体を与えられなければならない。気温が高いから、あるいは湿度が高いからという理由だけで、司祭はどのような祭服も放棄すべきではない。もし必要なら、司教は祭服の布地を薄くするよう手配することができる。司式者が一般的に承認されたミサの祭服の代りに地方的な衣服(local dress)を選ぶなどということ、あるいは聖体を配布する際にバスケットやワイングラスを使うなどということは全くもって容認されない。それは誤って理解されたインカルチュレーションである。
「ミサ中で朗読されるものは聖書のみから採られるというのがカトリック教会の伝統である」とアリンゼ枢機卿は続ける。「聖人の言葉、あるいは修道会創設者の言葉でさえ、認められない。他宗教の書物が排除されなければならないのは明白である。たとえその中の特定のテキストがどれほど示唆に富んだものであろうと。」
アリンゼ枢機卿は各大陸の司教達に、典礼のインカルチュレーションに関しては教会の規定に従うよう強く勧告した。それは「地方教会において疑わしい刷新がないように、あるいは全くもって間違った刷新がないように、一部の熱心な聖職者がその豊かな想像力で土曜の夜に何事かを発明し、その無知な熱意が日曜の朝にその発明を罪なき会衆に押し付けることのないように」するためである。
「特にダンスは批判的に検査されねばならない。何故なら、ほとんどのダンスは人々の注意をパフォーマーに惹き付け、楽しさを提供するからである」と彼は続ける。「人々はレクリエーションのためにミサに来るのではない。天主を崇拝するために、天主を讃美し天主に感謝するために、おのが罪の赦しを乞うために、そして他の霊的また現世的なニーズを天主に祈るために、来るのである。優雅な体の動きというものがどのように祈りとなり得るかを理解するためには、修道会が参考となるかも知れない。」
管理人注
第9回アジア司教協議会連盟総会: 2009年8月10日〜16日、フィリピンのマニラにて。
日本からこの会議に参加したのは、岡田大司教様、押川司教様、菊地司教様の三名ということです。参照
訳出 2009/09/03
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