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4.霊魂の橋

第21章

アダムの不従順によって天に通じる道が破壊されたので、神はその「ひとり子」を橋となし、天への道を再開されたことについて。

 わたしはあなたに、わたしの「ひとり子」、「言葉」を橋に仕立てたことについて語った。これは真理である。いとしい子供たちよ、つぎのことを知ってほしい。アダムの罪と不従順とによって道が破壊され、だれも恒久的な生命に達することができなくなった。それで、人間は、わたしにささげなければならない栄光を、しかるべき方法でささげることができなくなった。なぜなら、わたしがかれらを創造した目的である善を分かつことができなくなったからである。そして、そのため、わたしの「真理」はまっとうされなかった。
 真理とはつぎの通りである。わたしは、人間が不滅の生命を所有し、わたしと分かち合い、わたしの「いつくしみ」の至高かつ永遠のたのしさを味わうことができるように、これをわたしの似姿として創造した。しかし、過失が天とわたしの「あわれみ」の門戸とを閉ざしたために、この目的を達することができなくなり、わたしの「真理」はまっとうされなくなった。
 罪はいばらを生じ、さまざまの艱難と葛藤とを生んだ。被造物は、自分自身のなかに、謀叛が起きているのをさとった。なぜなら、被造物はわたしに謀叛するやいなや、自分自身に謀叛したからである。
 肉は、ただちに、霊に対して戦いを起こし、人間は、無垢の状態を失って、けがらわしい動物になった。そして、わたしが与えた状態にとどまっていたら、かれに従ったにちがいないあらゆる被造物と、戦わなければならなくなった。人間は、この状態を放棄したために、わたしの掟に背き、霊魂も肉体も永遠の死におちいる羽目になった。
 人間は、罪を犯すやいなや、激流におそわれ、絶えずその水に悩まされるようになった。人間は、苦労と責苦、自分自身からの責苦、悪魔からの責苦、世俗からの責苦を、堪え忍ばなければならなくなった。みながこの激流におぼれ、だれひとり、そのすべての義をもってしても、永遠の生命に達することができなくなかった。
 それゆえ、わたしは、あなたがたのこれほど大きな不幸をいやしたいと考え、わたしの「子」を橋として与えた。あなたがたが、それを通って、おぼれないで河を渡ることができるようにするためである。この河は、暗い生命のあらしに満ちた海である。
 だから、被造物はわたしに対してどれほどの負い目があるか、このうえ溺れて、しかも、わたしが与えた助けを受けつけようとしないというのは、どれほどおろかなことであるかを、わかってほしい。

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