第7

意志を助力すべし

 自然の傾向の影響によっては、我等の意志は弱く、情慾に逆うてこれに勝ち、神の命に従うてこれを治め、神に服せしむるのは、甚だ難しき事である。経験はこれを証して余りあり。何故なれば、如何にも己れに克つの善意は、満腔にあるように度々思わるれど、偶然機会が起るか、情慾の刺激を覚ゆるや、忽ちその善意は消え失せて、その情慾の圧制に負けてしまう。これによりて見れば、斯かる危険の場合に於て、如何に意志を助力するの必要あるかを悟らねばならぬ。意志は己れに向って強くなり、情慾の奴隷を脱し、且つ遁れて、専ら己れを神、及びその思召しに、全く委ねるようにせねばならぬ。

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