第15

意志に得さすべき第四の助力

 意志に得さすべき第四の助力は、神を愛すると云う事である。この愛は意志を強めること甚しく、これに由れば、仕懸り得らぬ事は何もない。如何なる事業でも仕懸り得られぬ、如何なる情慾、及び誘惑にでも、打ちて懸る事が出来るのである。この愛の得られる法は、即ち祈祷をして、度々神に願う事である。黙想も大いに補助[たすけ]となる。その時に最も有益な観念について熟考するがよい。例えば、神は如何なるものなるか、神の力、知恵、その善、その美は、如何に広大にして限りなきものなるか、また人間のために神の為し給える事は幾ばくぞや、なお要するならば如何ほど為し給う聖意であるか、如何なる愛を以て我等にどんな仕打ちし給い、今も日々我等を愛して、如何ほどの事を為し給うか、また、純粋の心を以てその戒めを守り、その聖意に従わんとて専ら勤めたるものは、来世に於て如何に寛大の報酬を受けくべきか等の事を考えるがよい。その大体を少しく述べん。

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