第20

神の美徳の観念

 神の美徳は広大にして限りなし。神はこれを以て他を見ず、永遠に限りなく喜び、限りなく幸いを得るのを知るのみで、その美徳の如何なるものであるかと云う事を、察する事が出来る。

 然れば人たるものは、神の全善によって、己が召されたる高位の程を知り、頑ななるものとならず、目を反ける事なく、無駄なもの、迷いに過ぎざるもの、人を迷わす影に過ぎざるものを、愛するようにしては不可[いかん]。神は我等を、その全能全智全善を愛するように招き、その美徳の楽しみに与って喜びを共にするように招き給うのである。然るにこれを聞かざるが如き有様は如何。今や為す所を考え、後を待たずして、改むるように急がねばならぬ。後は後悔するとも、何にもする事は出来ぬ。

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