第21

神が人のために為し給うた事、これを為し給う愛、また要するならば尚多く為し給わんとする聖意

 神が人のために為し給うた事を弁えるには、萬物の造られた事、世の贖われた事について黙想すればよい。

 斯く神が人の為に、萬事を為し給うた愛の程に至っては、実に限りなしと云うても足らぬ。その贖いの価は限りなきものなれども、神の聖意は尚これに加うべきものである。もし実際必要であったならば、尚ひどく苦しみ、幾たびでも死ぬる大御心であった。

 然らば我等は、贖われた恩謝として、自分の身を全く、限りもなく尽さねばならぬのに、如何にして神の聖意を充分に感謝する事が出来ようか。何故なれば、神の聖意は、実際の行為[しわざ]より尚限りもなく勝れておるからである。

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