2017.04.19

「LGBT カトリック・ジャパン」 のウェブサイトにそこはかとなく漂う
狂気(善意の部分はいい。しかし、狂気を孕んでいちゃ駄目だろ)13

前々々々回 のこの部分。強調は私。

そもそも,「不正義」や「不浄」は,「聖性の律法」に対する違反がかかわっていることを示している.

「聖性の律法」という言葉は抽象的である。
これについても後で見よう。

そして、前々回も見たように、彼はこの「聖性の律法」という言葉を同じ記事でもう一回使っている。

レビ記 18,22 および 20,13 において禁止されていることは,

聖性の律法」の文脈において読解されるなら,

ローマ人への手紙を見てみよう。

ローマ人への手紙

(フランシスコ会訳)

1 26 こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に任せられました。女は自然な関係を自然にもとる関係に替え、27 男も同じように、女との自然な関係を捨てて互いに情欲を燃やし、男と男が恥ずべき事をして、無軌道な行為に対する当然の報いをわが身に受けています。
28 彼らは、神を深く知ることに価値を認めていなかったので、神は彼らを価値のない考えのままに任せられました。それで、彼らはしてはならないことをしています。29 彼らは、あらゆるよこしまなことと悪と貪欲と悪意に満ち、ねたみと殺意と争いと欺きと敵意にあふれ、陰口を言い、30 そしり、神を憎み、人を侮り、たかぶり、自慢し、悪事を編み出し、親不孝で、31 わきまえがなく、約束を守らず、薄情で、無慈悲です32 こういう者たちは死に (14) 値するという神の定めを、彼らはよく知りながら、みずから行なうばかりでなく、そのようなことを行なう人たちに賛同しています。

(14) ここでパウロが考えている死は、単に肉体的な死ではなく、罪びとの運命である永遠の死のことであり(6:20~21参照)、それはまた神の国から締め出されることにほかならない(一コリント6:10、ガラテヤ5:21参照)。

小笠原氏は「聖性の文脈」という言葉で、29節から31節までに目を留めるだろう。つまり、もし人が29節から31節までに描かれたような性質を持たないなら、その人は「聖性を持つ」のである。だから、そのような性質を持たないなら、「男と男」が何事かしても問題にならない、と彼は言うのである。彼は、そのような性質を持つ同性愛者と持たない同性愛者は「まったく異質のもの」と言う。

しかし、「まったく異質」? 「まったく」?
確かに、29~31節を念頭に置くならば「大いに違っている」とは言えるかも知れない。私もそれを認める。しかしまた、どちらも「同性同士の性的関係」であることには違いがない。そして、聖書の文章的真実は、客観的に、今まで見て来た通りのものである。

• 聖パウロの端的かつ率直な言葉は残るであろう。前回参照
もしあなた(読者)が、言語というものは子どもが組み立てて遊ぶブロックのようなものではなく、生きた具体的な〈誰それ〉の生きた言葉であることを知り、聖パウロの言葉を素朴に(それはしばしば「アカデミックに」よりも良い)読むならば、聖パウロは基本的に「男と男」また「女と女」の性的関係を認めていないという事実から逃げることはできないだろう。

• それからまた、やはり大前提はコレである。

• そしてまた、聖書の中には「同性愛」をはっきり是認している箇所はただの一箇所も無い、ということも覚えておく必要がある。

同性愛の擁護者たちは聖書の中を探し回るしかない。
そして、聖書の中のここかしこのちょっとしたことを捉えて、
もっともらしい論を無理筋で組み立てるほかはない。

それから、この事もちょっと言っておきたい。

「聖性の律法」という言葉は信者の心を惹きつけるかも知れない。「聖性」は文句なしに尊いものだからである。しかし、彼がこの言葉に籠めている意味は、実のところ、「カップルが真摯かつ誠実に愛し合っていること」という程度のものである。

小笠原氏にとっては、平和に仲良く、相手を尊重して暮しているカップルは、、「聖性」を持つのである。彼は「聖性」という魅力的な言葉を使いながら、しかし、キリスト教徒の同性愛者だけを擁護するのでなく、他の全ての同性愛者をも擁護するのであろう。彼にとっては、無神論者も、生き方次第によっては──「善き市民」であれば──「聖性」を持つのである。

──と言われると、小笠原氏には異論があるかも知れない。しかしとにかく、「あまり大袈裟な言葉を使うな」と言っておきたい。

「罪の概念は中世の哲学が聖書の内容を悲観的に解釈したものである、という考えを徐々に刷り込むことによって」

フリーメイソンの雑誌『Humanisme』1968年11月/12月号 より

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